お盆休みだった。

というわけで、ここ数日は古本屋で計20冊ほど本を買い、溜まったビデオを観たりしてまちた。
ほんとは、映画館に行きたいけどキノコ公演が全て終わるまでは、なんとなく「禁」で。

やっぱり映画はいい!
映像の力はとてつもない!

いつかはアニーも映画を撮ってみたいのです。
下手なりにも自分で編集作業をやるようになってから、ちと映画の見方も変わりました。
規模の違いはあるにせよ、ハリウッドの大作もアニー作品も“カット割り”や“編集”をしていることには変わりなく、作品においての各監督の《センス》を大きく感じるようになったのであります。

アニーが最も尊敬する監督はスタンリー・キューブリックで、卒論で彼を取り上げたのでありますが、彼は監督の一番重要な仕事は編集だと考えておりました。
当時のアニーはその意味を真から理解してはおりませなんだが、今は分かる・・・気がします。
グッと心惹かれて引き込まれる作品というのは、ストーリーや役者ももちろん大事な要素だけど、カット割りや各シーンのつなぎというものが素晴らしいのであります。
衣装とか背景、役者の演技と違ってそれらの要素ははっきりと観客に伝わりにくかったりいたしますが、潜在的にその演出効果が私たちの脳に作用し、感動を増幅させているのであります。
そんなわけで最近は、コマ割りだとかカメラ位置だとかそんな事も考えながら映画観る・・時もあるの。

そうそう、オーソン・ウェルズは20世紀でもっとも偉大な監督にあげられ「市民ケーン」なぞ有名監督が影響を受けた作品の筆頭でありまして、アニーは昔「そんなすごい作品ならば観ておかねば!」と勇んでみたものの途中で眠ってしまったのであります。
が、最近何気なく目にした映画が「オーソン・ウェルズっぽい」とぐいぐい引き込まれてクレジットをみたらまさしく彼の作品で、たった一度、それも途中までしか観てない監督の作風が忘れられないほど印象的で心に残ってるなんて・・と驚きました。
今なら、もっと違う目で作品を楽しめる事でありませう。


で、タイトルの「ブリッジ」&「ゾディアック」。
「ミート・ザ・ペアレント2」とか「ゾンビーノ」(原題「Fido」)とかおもしろい作品も語りたいのだけど、余韻が続くのはやっぱり社会派映画であります。
アニーは実は社会派の作品が結構好きです。息するのも忘れるくらい集中できるけど、体力使うから心身(特に心が)弱ってるときは重い作品はなかなか観られないけどね。

「ブリッジ」は自殺の名所である、シスコのゴールデンゲートブリッジのたもとに一年間カメラを据えて日常の橋の風景や、実際にそこから飛び込む人の姿を捉えたり、過去に自殺した人の近親者のインタビューや生還した若者のインタビューで構成されているドキュメンタリー。

本当に飛び込む人の姿を映し出しているので、いろんな批判をうけた作品でありますが、監督本人が語っているとおり、現実から目を背けても問題は解決しないというメッセージがズシンと心にきます。
自殺にいたるまでにどんな葛藤があったのか、自殺を決意しても、交通量も多く観光客や人の目が多いゴールデンゲートブリッジで実行にうつすまでどれほどの心の動きがあるのか。

自殺という社会問題をどうとらえてゆけばよいのか・・単なる机上の空論ではなく、あくまで傍観者としてカメラがその姿を映し出すが故に説得力をもって観るものに訴えかける作品であります。

観終わって一番思うのは、ヒトって本当は、最後の最後まで誰かとつながっていたいんだなあってこと。
心の隅、0.0001%でも誰かに引き止めて欲しいと思ってるんじゃないかなって。
たいていの自殺者は人目につかない場所でひっそりと命を絶ってしまうけど、実行に移す前に誰かに、どんな僅かにでもSOSの信号を送ってるんだよね。

結局は、人間同士のコミュニーケーションの問題が全ての社会問題につながってるんだよなあと、そこにいきついてしまうわけですが・・・。

DVDだと監督さんのインタビューが結構長時間聞けますが、もし今後観る人がいましたらば、ぜひ聞いてほしいっす。
このエリック・スティールという監督さんの話はかなり興味深くて、「何故自殺者を見つけて傍観してたんだ」とか倫理的な非難も浴びてますが,インタビューでの真摯な受け答えを聞いてる限り、彼を批判しようという気にはなれませなんだ。
ジャーナリストの視線に近いのよね。

ま、ショッキングな作品であることには間違いないので、生理的な嫌悪感を抱く人も多いことと思いますが、ぜひ気になった皆様には観て頂きたいなあと思うしだいでありますです。


おお。
あんまり長々書いてまって、「ゾディアック」の話までもっていけないべ。
この感動を早く伝えたかったのに。。。無念なり。



プロフィール

Author:帝釈天アニー
役者。と思います。
一人芝居のDMから映像からその他もろもろは何とか自分でやってる制作者でもありやす。マイナーの女王になりたいようななりたくないような、「第一印象はあてにならない」が信条の遅れてきたアイドル志願。

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